老後の備えについて(小規模企業共済がよくわかる!)

2017/08/07  |

[保険などのマメ知識29]老後の備えについて④
保険などのマメ知識! 今回は、小規模企業共済についてです!

こんにちは、saintseitaroです。

※いつも訪問していただいてありがとうございます!

前回は「老後の備えついて」のテーマで国民年金基金、付加年金についてを掲載しました。
今回は「小規模企業共済」についてをテーマとしたいと思います。

その前に、前回の掲載内容をまだご覧いただけていない場合は、まずはこちら「老後の備えについて(国民年金基金・付加年金がよくわかる!)」から参照をお願いします!

それでは、いきます!

小規模企業共済について

小規模企業共済とは、国がつくった「経営者の退職金制度」で小規模企業の個人事業主が事業を廃止した場合や会社等の役員が役員を退職した場合など、第一線を退いたときに、それまで積み立ててこられた掛金に応じた共済金をお受け取りになれる共済制度です。

「小規模企業共済制度」は、昭和40年に制定された小規模企業共済法に基づいた制度で50年の歴史があります。この制度は、国が全額出資している独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)が運営しており、平成28年3月末時点で約128万人もの個人事業主や共同経営者、小規模企業の役員が加入しています。

掛金月額は、1,000円から7万円までの範囲(500円刻み)で自由に選べます。掛金は税法上、全額が「小規模企業共済等掛金控除」として課税対象となる所得から控除されます。

共済金を一括で受け取る場合には退職所得扱いに、分割で受け取る場合には公的年金等の雑所得扱いとなり、受け取るときも所得控除のメリットがあります。

加入できる方・加入できない方について

加入できる方は、以下のとおりになります。

  1. 建設業、製造業、運輸業、サービス業(宿泊業・娯楽業に限る)、不動産業、農業などを営む場合は、常時使用する従業員の数が20人以下の個人事業主または会社の役員
  2. 商業(卸売業・小売業)、サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)を営む場合は、常時使用する従業員の数が5人以下の個人事業主または会社の役員
  3. 事業に従事する組合員の数が20人以下の企業組合の役員や常時使用する従業員の数が20人以下の協業組合の役員
  4. 常時使用する従業員の数が20人以下であって、農業の経営を主として行っている農事組合法人の役員
  5. 常時使用する従業員の数が5人以下の弁護士法人、税理士法人等の士業法人の社員
  6. 上記1、2に該当する個人事業主が営む事業の経営に携わる共同経営者(個人事業主1人につき2人まで)

加入できない方の1例は、以下のとおりになります。

  1. 配偶者等の事業専従者(ただし、共同経営者の要件を満たしていれば共同経営者として加入できます。)
  2. 協同組合、医療法人、学校法人、宗教法人、社会福祉法人、社団法人、財団法人、NPO法人(特定非営利活動法人)等の直接営利を目的としない法人の役員等
  3. 兼業で事業を行っているサラリーマン(雇用契約に基づく給与所得者)
  4. 学業を本業とする全日制高校生等
  5. 会社等の役員とみなされる方(相談役、顧問その他実質的な経営者)であっても、商業登記簿謄本に役員登記されていない場合
  6. 生命保険外務員等
  7. 独立行政法人勤労者退職金共済機構が運営する「中小企業退職金共済制度」、「建設業退職金共済制度」、「清酒製造業退職金共済制度」、「林業退職金共済制度」(以下「中退共等」)の被共済者である場合

常時使用する従業員の数は共済加入時の人数要件であって、その後従業員の数が増加して要件に該当しなくなったとしても、共済契約は続けられるため、もし、検討の余地ありであれば、早めに検討をされたほうが良いかもしれません!

事業資金等の貸付制度について

共済契約者の方が納付した掛金の範囲内で、事業資金等の以下の7つの分類で貸付けが受けられます。

  • 一般貸付け
  • 緊急経営安定貸付け
  • 傷病災害時貸付け
  • 福祉対応貸付け
  • 創業転業時・新規事業展開等貸付け
  • 事業承継貸付け
  • 廃業準備貸付け

毎月の掛金や、受給額の金額例について

前回と同様に金額例の算出をしたいと思います。
40歳0か月、男性の方が申し込みを行い、毎月2万円の掛金を20年間(240か月)納めた場合の共済金額(受取金額)は以下のとおりです。

共済金A(事業廃止等):5,572,800 円
共済金B(老齢給付等):5,317,600 円

上記は以下のページで試算をさせていただきました。
加入シミュレーション|小規模企業共済(中小機構)
http://www.smrj.go.jp/kyosai/skyosai/entry/simulation/index.html

共済金Aとは、以下の場合に受け取れる共済金になります。

加入者の種類 請求事由
個人事業主の場合
  • 個人事業を廃業した場合(※1)
  • 配偶者・子以外に個人事業の全部を譲渡した場合
  • 平成28年4月1日以降に、配偶者・子に個人事業の全部を譲渡した場合
  • 共済契約者の方が亡くなられた場合
  • 全額金銭出資により個人事業を法人成りした場合(※2)
法人(会社など)の役員の場合
  • 法人が解散した場合
共同経営者の場合
  • 個人事業主の廃業に伴い、共同経営者を退任した場合(※1)
  • 個人事業主が事業の全部を譲渡したことに伴い、共同経営者を退任した場合
  • 病気や怪我により共同経営者を退任した場合
  • 平成28年4月1日以降に、個人事業主が配偶者・子に事業の全部を譲渡したことに伴い、共同経営者が配偶者・子にその地位を譲渡した場合
  • 共済契約者の方が亡くなられた場合

※1:複数の事業を営んでいる場合は、すべての事業を廃止したことが条件となります。
※2:平成22年12月末以前に加入(平成23年1月以降に請求事由が発生して掛金納付月数の通算手続きを行った場合を除く)した共済契約者に限ります。

共済金Bとは、以下の場合に受け取れる共済金になります。

加入者の種類 請求事由
個人事業主の場合
  • 老齢給付(65歳以上で180ヶ月以上掛金を払い込んだ方)
法人(会社など)の役員の場合
  • (退任日 平成28年3月31日以前) 病気や怪我のため役員を退任した
  • (退任日 平成28年4月1日以降) 満65歳以上、または病気や怪我のため役員を退任した
  • 共済契約者の方が亡くなられた場合
  • 老齢給付(65歳以上で180ヶ月以上掛金を払い込んだ方)
共同経営者の場合
  • 老齢給付(65歳以上で180ヶ月以上掛金を払い込んだ方)

「共済金A」、「共済金B」の他にも、「準共済金」、「解約手当金」の分類がありますが、そちらについては、以下を参照していただけたらと思います。

共済金(解約手当金)について|小規模企業共済(中小機構)
http://www.smrj.go.jp/kyosai/skyosai/about/proceed/index.html

また、上記でも記載したとおり、掛金の全額が所得控除の対象となり、所得税や住民税が軽減されます。

前回と同様に、以下でどれくらい軽減されるかも、試算してみたいと思います。

課税総所得金額が400万円の場合、所得税の計算は以下となります。

(4,000,000円 × 20% - 427,500円) × 2.1% = 380,300円(100円未満切り捨て) … ①

※ 20%の乗算と、427,500円の減算は、330万円超~695万円以下の所得税の計算式になります。
※ 2.1%の乗算は、復興特別所得税によるものです。

課税総所得金額から、1年分の掛金が控除されると、以下となります。

4,000,000円 - 240,000円 = 3,760,000円

上記の控除が考慮された課税総所得金額の場合の所得税の金額は以下のとおりです。

(3,760,000円 × 20% - 427,500円) × 2.1% = 331,300円(100円未満切り捨て) … ②

次に住民税の計算をします。

前回と同じ説明になりますが、所得税を計算するための課税総所得金額が400万円の場合、住民税を計算するための課税総所得金額はそれより大きな金額になります。
基礎控除額が所得税では38万円に対して、住民税では33万円であるなど、控除額が住民税のほうが安いものが多くあるためです。
今回も1例ということで、400万円のままで試算してみたいと思います。

課税総所得金額が400万円の場合、住民税の計算は以下となります。

4,000,000円 × 10% = 400,000円 … ③

※住民税を算出する際は、課税総所得金額に関係なく、一律10%の乗算になります。

上記の控除が考慮された課税総所得金額の場合の所得税の金額は以下のとおりです。

3,760,000円 × 10% = 376,000円 … ④

上記の金額の差額で、所得税、住民税がいくらお得になるかを計算すると、

(①-②)+(③-④)= 73,000円

実質の1年間の掛金は、
240,000円 - 73,000円 = 167,000円

60歳までの20年間の掛金の合計は、
167,000円 × 20年 = 3,340,000円

となります。※あくまで、概算での計算値になります。

共済金Aについて

「想定の受取総額 - 想定の掛金の総額」の差額については、
5,572,800円 - 3,340,000円 = 2,232,800円

「想定の受取総額 ÷ 想定の掛金の総額」の返戻率については、
5,572,800円 ÷ 3,340,000円 = 166.9%

共済金Bについて

「想定の受取総額 - 想定の掛金の総額」の差額については、
5,317,600円 - 3,340,000円 = 1,977,600円

「想定の受取総額 ÷ 想定の掛金の総額」の返戻率については、
5,317,600円 ÷ 3,340,000円 = 159.2%

となります。

共済金を分割で受け取ることもでき、分割で受け取る場合の共済金額(受取金額)と一括で受け取る場合よりもお得となる金額は以下のとおりです。

共済金の種類 1回あたりの金額 受取総額 一括受け取りよりも
いくらお得か
共済金Aの場合 10年分割の場合 97,524円 5,851,440 円 278,640 円
15年分割の場合 66,874円 6,018,660 円 445,860 円
共済金Bの場合 10年分割の場合 93,058円 5,583,480 円 265,880 円
15年分割の場合 63,811円 5,742,990 円 425,390 円

一括での受け取りの場合について

上記でも記載しましたが、共済金(受取金)を一括で受け取りの場合は、退職所得扱いで課税されます。

退職所得扱いについては、以下の計算式で退職所得の金額が計算されます。

退職所得の金額=(収入金額-退職所得控除額)× 1/2

退職所得控除額とは、以下のとおりです。

勤続年数 退職所得控除額の計算式
勤続年数が20年以下の場合 40万円×勤続年数
(勤続2年以下の場合は一律80万円)
勤続年数が20年超の場合 800万円+70万円×(勤続年数-20年)

上記の共済金Aのケースで計算してみると、以下のとおりです。

(5,572,800円[収入金額]-40万円×20年[退職所得控除額])×1/2 = -1,213,600円

つまり、マイナスの算出結果になるため、所得税の対象ではなくなります。

退職金に関する所得税の課税については、退職所得控除があり、その差し引いた金額の半分だけを課税対象の金額にするなど、国の制度として優遇されており、小規模企業共済についても、同様に優遇されていることがわかります。

分割での受け取りの場合について

上記でも記載しましたが、共済金(受取金)を分割で受け取りの場合は、公的年金等の雑所得扱いで課税されます。

公的年金等に係る雑所得の金額は、以下のとおりに算出します。

公的年金等に係る雑所得の金額=(a)×(b)-(c)

公的年金等に係る雑所得の速算表(平成17年分以後)

年金を受け取る人の年齢 (a)公的年金等の収入金額の合計額 (b)割合 (c)控除額
65歳未満 (公的年金等の収入金額の合計額が700,000円までの場合は所得金額はゼロとなります。)
700,001円から1,299,999円まで 100% 700,000円
1,300,000円から4,099,999円まで 75% 375,000円
4,100,000円から7,699,999円まで 85% 785,000円
7,700,000円以上 95% 1,555,000円
65歳以上 (公的年金等の収入金額の合計額が1,200,000円までの場合は、所得金額はゼロとなります。)
1,200,001円から3,299,999円まで 100% 1,200,000円
3,300,000円から4,099,999円まで 75% 375,000円
4,100,000円から7,699,999円まで 85% 785,000円
7,700,000円以上 95% 1,555,000円

上記は、国税庁のHPの以下のページを参考にしています。
No.1600 公的年金等の課税関係|国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1600.htm

上記の共済金Aのケースで計算してみると、以下のとおりです。

共済金Aを10年分割で、65歳未満で受け取る場合

97,524円×6[年額の計算] × 100% - 700,000 = -114,856円

こちらもマイナスの算出結果になるため、所得税の対象ではなくなります。

公的年金についても、国の制度として優遇されており、分割で受け取る小規模企業共済についても、同様に優遇されていることがわかります。

注意点として

小規模企業共済を申し込む際の注意点として、「途中で解約しないこと!」が重要と思います。

20年間の払込期間を要する前に途中で解約すると、元本割れになるためです。

申し込みを行われた場合は、可能な限り掛金を支払を続けて、「共済金A」、「共済金B」、「準共済金」のいずれかで共済金(受取金)を受け取っていただけたらと思います。

最後に

小規模企業共済は、国民年金基金と併用ができるため、将来に向けての貯蓄や備えができる状況であれば、

国民年金基金で、掛金の上限である月68,000円、
小規模企業共済で、掛金の上限である月70,000円

といった申し込みも可能となります。
※途中での減額がしないほうが望ましいため、本当に余裕がある場合でないと難しいとは思いますが、、、

どちらも掛金の全額が、所得税の控除対象になるため、節税効果の高い制度ではあると思います。

また、国民年金基金に加入されていない場合は、「国民年金の付加年金 + 小規模企業共済」という組み合わせも良いと思います。

前回で掲載したとおり付加年金の返戻率はとても高いためです。

是非とも、個人事業主の方、小規模の法人(会社など)の役員の方や、共同経営者の方については、「小規模企業共済」についてを検討していただけたらと思います。

一旦以上になります。

上記掲載内容は、以下のサイト等を出典とし弊サイトが作成したものになります。

加入をご検討の方|小規模企業共済(中小機構)
http://www.smrj.go.jp/kyosai/skyosai/entry/index.html

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【今日の一言中国語】
私が中国語を勉強する理由について(关于我学习中文的理由
日本で働く中国の方を尊敬しているためです。(因为我尊敬在日本工作的中国人。
次回に続く。(下回继续。

FP技能検定2級の試験日:2017/9/10(日)まで、あと34日!
※あと1か月ちょっとになってしまいました。。勉強や試験対策が間に合うかが不安です。。。

情報処理○術者試験(システム○ーキテクト)の試験日:2017/10/15(日)まで、あと69日!
※まずはFP技能検定2級が優先なので、こちらは放っておきます。。。

では、みなさまのほけんライフがじゅうじつしますように♪

Thank you for reading through.
See you next time!

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