老後の必要資金・老後への備えについてがよくわかる!

2017/06/12  |

[保険などのマメ知識26]老後の備えについて①
保険などのマメ知識! 今回は、老後の必要資金などについてです!

こんにちは、saintseitaroです。

※いつも訪問していただいてありがとうございます!

今回から「老後の備えついて」のシリーズで掲載をしていけたらと思います。

その前に、前々回シリーズの「死亡のリスクについて」をまだご覧いただけていない場合は、こちら「死亡のリスクについて(必要保障額の算出方法がよくわかる!)」を、
前回シリーズの「病気・事故のリスクについて」をまだご覧いただけていない場合は、こちら「入院の確率・平均入院日数・高額療養費制度がよくわかる!」を、参照いただければと思います!

それでは、いきます!

老後の必要資金について

老後の生活費については、以下のサイトがとても参考になると思います。

老後の生活費はいくらくらい必要と考える?|公益財団法人 生命保険文化センター
http://www.jili.or.jp/lifeplan/lifesecurity/oldage/7.html

詳しくは、上記を見ていただきたいのですが、

生命保険文化センターが行った意識調査によると、夫婦2人で老後生活を送る上で必要と考える最低日常生活費は月額で平均22.0万円となっています。
以下の調査結果をみると、「20~25万円未満」が、31.5%と最も多くなっています。

15万円未満 5.9%
15~20万円未満 13.1%
20~25万円未満 31.5%
25~30万円未満 13.6%
30~40万円未満 15.0%
40万円以上 2.4%
わからない 18.6%

<生命保険文化センター「生活保障に関する調査」/平成28年度>

また、ゆとりある老後生活を送るための費用として、最低日常生活費以外に必要と考える金額は平均12.8万円となっています。
その結果、「最低日常生活費」と「ゆとりのための上乗せ額」を合計した「ゆとりある老後生活費」は平均で34.9万円となります。

20万円未満 3.3%
20~25万円未満 7.5%
25~30万円未満 12.3%
30~35万円未満 21.8%
35~40万円未満 9.0%
40~45万円未満 11.0%
45~50万円未満 3.1%
50万円以上 13.5%
わからない 18.6%

<生命保険文化センター「生活保障に関する調査」/平成28年度>

なお、ゆとりのための上乗せ額の使途は、「旅行やレジャー」がもっとも高く、以下「身内とのつきあい」「趣味や教養」と続いています。

旅行やレジャー 60.6%
身内とのつきあい 50.1%
趣味や教養 49.7%
日常生活費の充実 49.0%
耐久消費財の買い替え 27.2%
子どもや孫への資金援助 23.4%
隣人や友人とのつきあい 16.1%
とりあえず貯蓄 3.3%
その他 0.6%
わからない 0.4%

※複数回答あり
<生命保険文化センター「生活保障に関する調査」/平成28年度>

老後の必要資金について②

総務省の家計調査報告として、二人以上の世帯のうち高齢無職世帯の実収入と、消費支出の平均値が公表されています。

統計局ホームページ/家計調査年報(家計収支編)平成28年(2016年) 家計の概要
http://www.stat.go.jp/data/kakei/2016np/gaikyo/index.htm

詳しくは、上記を見ていただきたいのですが、

2016年では、二人以上の世帯のうち高齢無職世帯(世帯主が60歳以上の無職世帯)の実収入、可処分所得、消費支出、可処分所得-消費支出を世帯主の年齢階級別にみると、以下のとおりになっています。

項目 実収入 可処分所得 消費支出 可処分所得-消費支出
平均 208,111円 179,087円 239,604円 -60,517円
60~64歳 171,086円 140,435円 252,174円 -111,739円
65~69歳 213,409円 180,603円 262,042円 -81,439円
70~74歳 212,758円 182,066円 242,208円 -60,142円
75歳以上 209,774円 183,991円 224,092円 -40,101円

※「表Ⅱ-1-3 世帯主の年齢階級別家計収支(二人以上の世帯のうち高齢無職世帯)-2016年- 」より抜粋

可処分所得とは、「所得のうち、税金・社会保険料などを除き、個人が自由に処分できる部分」という意味で、要は税金・社会保険料などを差し引かれた手取りの金額という意味です。

考察すると、60~64歳の世帯は、年金の支給が一部しかないこともあり、実収入(可処分所得)が少なく、可処分所得-消費支出が、111,739円もマイナスになっています。
65~69歳の世帯からは、年金の支給が開始され実収入(可処分所得)が多くなり、可処分所得-消費支出も、81,439円となっています。

つまりは、データ(平均値)としては老後の備えとしての準備を皆さんされており、年金などの収入だけでは足りない部分は、老後までに備えた貯蓄を少しずつ切り崩して生活されているのがわかります。

老後の生活への不安について

老後の生活への不安について、以下のサイトがとても参考になると思います。

老後の生活にどれくらい不安を感じている?|公益財団法人 生命保険文化センター
http://www.jili.or.jp/lifeplan/lifesecurity/oldage/5.html

詳しくは、上記を見ていただきたいのですが、

生命保険文化センターが行った意識調査によると、自分の老後生活に「不安感あり」の割合は85.7%と9割近くの人が老後生活に対して不安を抱えている結果になっています。このうち、「非常に不安を感じる」という不安の程度が高い人が22.7%となっています。

非常に不安を感じる 22.7%
不安を感じる 29.4%
少し不安を感じる 33.6%
不安感なし 12.8%
わからない 1.5%

<生命保険文化センター「生活保障に関する調査」/平成28年度>

また、老後に不安を抱くその内容を見ると、「公的年金だけでは不十分」が80.9%と最も高く、以下「日常生活に支障が出る」(57.2%)、「自助努力による準備が不足する」(38.1%)、「退職金や企業年金だけでは不十分」(36.7%)の順となっています。

公的年金だけでは不十分 80.9%
日常生活に支障が出る 57.2%
自助努力による準備が不足する 38.1%
退職金や企業年金だけでは不十分 36.7%
仕事が確保できない 32.8%
配偶者に先立たれ経済的に苦しくなる 24.6%
貯蓄等の準備資金が目減りする 17.1%
子どもからの援助が期待できない 15.4%
利息・配当収入が期待通りにならない 12.1%
住居が確保できない 5.6%
その他 0.8%
わからない 0.4%

※複数回答あり
<生命保険文化センター「生活保障に関する調査」/平成28年度>

老後への備えについて

老後に向けての準備や備えについてが漠然とされていて、かつ昨今の景気の動向や、少子高齢化、公的年金制度の維持の難しさなどもあり、不安な気持ちが募るばかりの状況ではあると思いますが、少しでも不安の解消になるための対策事項の一案などをお伝えできたら幸いです。

老後に向けての不安を解消し、計画的に準備するためには、以下のプロセス(順番)で、毎年の貯蓄額の目標金額を設定するのが良いと思います。

①ご自身の資産と負債を把握

②現状の生活費を参考に、定年後の毎月の生活費を試算する

③定年後の必要額の総額を計算する

④毎年の貯蓄額の目標金額を設定する

それぞれの詳細を説明したいと思います。

①ご自身の資産と負債を把握について

ご自身の資産と負債を把握については、個人のバランスシート(貸借対照表)の作成が良いと思います。

バランスシート(貸借対照表)とは、企業の会計情報として、決算時の財務状態を、資産を左側に、負債を右側に記載し、総合的な損益額も明らかになるようにまとめた表のことです。バランスシートの略として、B/Sと呼ばれることも多いと思います。

1例を以下にまとめてみます。

資産 負債
普通預金 50万円 住宅ローン 2,500万円
定期預金 100万円 自動車ローン 20万円
株式 20万円 教育ローン・奨学金 50万円
投資信託 クレジットカードローン
貯蓄型の保険 200万円 負債合計(②) 2,570万円
不動産(自宅等) 3,000万円
自動車 60万円
その他
資産合計(①) 3,430万円 純資産(①-②) 860万円

資産や負債の項目について、足りないものがあれば、どんどん足していったほうが、具体性が増してわかりやすくなると思います。

上記の例だと、資産合計が3,430万円、負債合計が2,570万円のため、純資産が860万円であることがわかります。

②現状の生活費を参考に、定年後の毎月の生活費の試算について

定年後の毎月の生活費の試算については、日々の生活の仕方や、生活水準、何にどれくらいお金を使ってもよいと思うか、逆にお金の消費はどれくらいまでにしないとダメなのか、などなど、ご自身の生活費は、ご自身の望む生活の仕方によって変わるものだと思います。

なので、現在の生活費を参考にして、老後の生活費の試算をするのが良いと思います。

老後の生活費の試算のため、就学中のお子さんがいらっしゃるご家庭については、お子さんの分の食費、教育費などは除いた金額で、現在の生活費を以下のようにまとめてみるのが良いと思います。

項目 2016年における月平均額
消費支出 237,691円
 食料 64,827円
 住居 14,700円
 光熱・水道 18,851円
 家具・家事用品 9,017円
 衣服及び履物 6,675円
 保険医療 15,044円
 交通・通信 25,256円
 教育 1円
 教養娯楽 26,303円
 その他の消費支出 57,016円
  諸雑日 20,017円
  交際費 29,033円
  仕送り金 1,650円
非消費支出 29,855円
 直接税 12,639円
 社会保険料 17,171円

上記の金額は参考として、総務省の家計調査報告の2016年における高齢夫婦無職世帯の消費支出、非消費支出の平均値を掲載しています。

統計局ホームページ/家計調査年報(家計収支編)平成28年(2016年) 家計の概要
http://www.stat.go.jp/data/kakei/2016np/gaikyo/index.htm

※「表Ⅱ-1-4 高齢夫婦無職世帯の家計収支」より抜粋

なお、円単位での表記となっていますが、実際は、もっとざっくりと千円単位でまとめることでも問題ありません。

また、自動車を所有しているため、整備費、税金、車検の費用や
持家のため、修繕費用の積み立てや固定資産税など、
年単位での必要な支出を加味する必要があります。

以下は1例です。

年単位で必要な支出合計 180,000円
自動車の整備費、税金、車検費用 50,000 円
(持家の場合)自宅の修繕費用 30,000 円
(持家の場合)固定資産税 100,000 円

上記の毎月の生活費と、年単位での必要な支出÷12の合計が、毎月で必要な生活費になります。

③定年後の必要額の総額の計算について

定年後の必要額の総額の計算については、簡単にではありますが以下で求められると思います。

純資産額+退職金+老齢年金の受給額(年額)×年金受給年数

-毎月で必要な生活費×12×想定の必要年数

1例として、上記で記載した金額等を使って求めてみたいと思います。

・世帯主:男性60歳で会社員を定年退職し、配偶者が専業主婦で女性58歳の場合

・純資産額:上記で記載した860万円

・退職金:1例で、1,000万円

・老齢年金の受給額(年額)×年金受給年数について

厚生労働省の厚生年金保険・国民年金事業の概況で、2015年度(平成27年度)における老齢年金の支払額を公表しています。

厚生年金保険・国民年金事業の概況 |厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000106808_1.html

詳しくは、上記を見ていただきたいのですが、

「表6 厚生年金保険(第1号)受給者平均年金月額の推移」にて、平成27年度における厚生年金保険(第1号)受給者の平均年金月額は147,872円となっており、今回の金額の算出例では、この金額を世帯主の老齢年金の受給額とします。

また、「表 18 国民年金受給者の平均年金月額の推移」にて、国民年金受給者の平均年金月額は、55,244円となっており、今回の金額の算出例では、この金額を配偶者の老齢年金の受給額とします。

年金受給年数については、世帯主(男性)の平均余命である80.79歳を想定した場合で、世帯主が60歳~81歳までの22年間を想定したいと思います。

計算式にすると以下のとおりです。

世帯主の老齢年金の受給額の総額の例(世帯主が65歳から年金を受給することを想定し、17年)
147,872×12か月×17年=30,165,888円

配偶者の老齢年金の受給額の総額の例(配偶者が65歳から年金を受給することを想定し、15年)
55,244×12か月×15年=9,943,920円

上記の2人分の総額=4,011万円

・毎月で必要な生活費×12×想定の必要年数について

上記の1例を使用して計算すると以下のとおりです。

(237,691円×12+180,000円)×22年=6,671万円

・つまりは、

定年後の必要額の総額は以下となります。

860万円+1,000万円+4,011万円-6,671万円=800万円

・注意点として、

厚生年金、国民年金の加入年数が少ない場合などは、上記の老齢年金の受給額より少ないこともあると思います。

また、世帯主が先だった後の配偶者への備えが十分でない場合は、その分も働けるうちに、備える必要があると思います。

あくまでご自身としての、必要な準備資金額と、毎年の貯金額の設定をしてもらえたらと思います。

④毎年の貯蓄額の目標金額の設定について

お子さんの教育資金の目途がたったら、ご自身の老後に向けての備えに注力する必要があると思います。

教育資金の目途が立つ時期の世帯主の年齢と退職までの年数で、上記の金額を単純に割ってみて、
毎年それくらいの貯金ができそうかの検討をしてもらえたらと思います。

もし、住宅ローンが残っている場合は、思うとおりに貯金ができない可能性が出てきてしまうため、
繰り上げ返済ができそうかどうかなど、ご自身にあった貯蓄の計画を立てていただけたらと思います。

最後に

老後に向けての準備が芳しくなく、定年後も働くから大丈夫!と考えられている方について、定年後の再就職先の目途と、再就職時の収入の目安は把握できていますでしょうか?
また、将来の健康状態について、定年後でもバリバリ働けるくらい元気である見通しはありますでしょうか?

定年後も働くことを前提に考えていて、いざ定年に近づいた際に、病気・事故などで働けなくこともあり、相応のリスクだと思います。

いざという時に、対応できる対策が全くない! といったことにはならないように、いろいろな可能性(リスク)に備えることを念頭に置いておくと良いのではと思います。

一旦以上になります。

多くの方が抱く定年後の不安について、その不安をなくすための講座で最短2か月で学べます!
<スポンサーリンク>

【今日の一言中国語】
老後の幸せを十分に楽しむため、今からガンバリましょう!(因为我们好好儿享受晚年的幸福,从现在加油吧!)

データベース○ペシャリスト試験の合格発表まで、あと9日!
※勉強が全く足りていませんでしたが、一応最後まで受験したので、ドキドキしてみようと思います!

FP技能検定3級の合格発表まで、あと22日!
※こちらが本命です!

では、みなさまのほけんライフがじゅうじつしますように♪

Thank you for reading through.
See you next time!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。